社交不安症の原因は一つではありません。もともとの緊張しやすい気質や、失敗を強く気にする考え方の傾向に加え、人前で恥ずかしい思いをした経験、学校や職場でのストレスなど、さまざまな要因が重なって発症すると考えられています。
特に重要なのが、「不安の悪循環」です。たとえば、「緊張してはいけない」と思うほど、顔の赤みや声の震え、動悸などの体の変化に意識が向きます。すると緊張がさらに強まり、「やっぱり自分は変に見られている」と感じてしまいます。その結果、人前で話すことや会食などの場面を避けるようになり、不安がさらに強くなるという悪循環に陥ります。
この悪循環は、本人の努力不足や性格の弱さが原因ではありません。むしろ、「失敗したくない」「迷惑をかけたくない」と一生懸命に頑張ってきた結果として強まることがあります。
社交不安症の治療では、不安を完全になくすことを目標にするのではなく、不安があっても少しずつ行動できる範囲を広げ、自信を取り戻していくことを大切にします。


