自己効力感が低いと、「どうせやってもうまくいかない」「また失敗するに違いない」といった考えが頭に浮かびやすくなります。こうした思考は、不安やストレスを生みやすく、次第に気分の落ち込みにもつながっていきます。
たとえば、試験や面接の前に「自分には無理だ」と思ってしまうと、緊張が強まり、本来の実力を発揮できません。その結果、「やっぱりダメだった」と自己評価がさらに下がり、悪循環に陥ってしまいます。
このように、自己効力感の低さは、避けられるはずの不安やうつ症状を引き起こすリスク要因になるのです。例えば、うつ病の患者さんでは、自己効力感が著しく低下しており、自分を過小評価しがちな場合があります。 ただ、逆に言えば自己効力感を少しずつ高めていくことで、不安やうつの予防や改善につなげることができます。